モンテッソーリ教育のデメリットとは?保育園選びで後悔しないための経験ママから見たリアルな問題点!

子供の教育法や保育園選びでよく耳にするモンテッソーリ教育。良い評判やメリットはよく聞くけど本当のところどうなの?と疑問に思うところがありますよね。そこで、実際モンテッソーリ園に子供を通わせたママから見たデメリットについて詳しく紹介していきます

モンテッソーリ教育とは

デメリットを知る前にモンテッソーリ教育の基本的な考え方を押さえておきます。

モンテッソーリ教育とは、子供には元々自分で自分を育てる力「自己教育力」があるという考えから、それを伸ばす教育法です。

医師で教育家のマリア・モンテッソーリによって提唱された教育法で、子供の積極性や能動的な行動が身に付くと言われ、現在世界で110を超える国でモンテッソーリ実践園が存在しています。

世界的な著名人にはモンテッソーリ教育で育った人が数多くいる事でも有名です。

ジェフ・ベゾス(Amazon創立者)
サーゲイ・ブリン(Google創立者)
ラリー・ペイジ(Google創立者)
ウィル・ライト(シムシティ開発者)
ピーター・ドラッカー(社会学者)
ジョージ・クルーニー(映画俳優、監督)
マーク・ザッカーバーグ(Facebook創立者)
ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)
藤井 聡太(将棋棋士)

そんなモンテッソーリ教育ですが良いことばかりじゃなく、欠点はないの?と気になりますよね。そこで、実際にモンテッソーリ園に通わせていたママ達が見たデメリットについて紹介していきます。

モンテッソーリ教育についてこちらの記事で詳しく解説してます。

モンテッソーリ保育園・幼稚園のデメリット

1.協調性が無くなる

2.時間の区切りが付けられない

3.集団行動が出来ない

4.運動不足になりやすい

5.活発な子には不向き

6.教育者のレベルや人数で差が出る

7.日本の将来の受験に不向き

1.協調性が無くなる

子供の性格や個性を伸ばしていく教育法で、周りに気にせず黙々と作業に取り組む事が多いので、自主性、自立性が伸びていく一方で、人と合わせて行動する事が苦手になる事があると言われます。ただ個人差が大きいので一概に協調性が無くなると言うわけではありません。

他のスクールに進んだ時、初めは苦労する事があるかもしれませんが、ほとんどの子供は時間と共に適応できていきます。

2.時間の区切りが付けられない

モンテッソーリでは、子供が好きな事に夢中になっている時に脳や体が成長していると考えられ、集中している事は好きなだけやり続ける事が基本方針にあります。

時間割で国語や算数、と区切りをつけて切り替えていく事とは対極的なので、良くも悪くも作業の途中で終わる事を嫌がったり、何時間も一つのことに取り組み続けるというような事があります。

3.集団行動が出来ない

モンテッソーリ教育の一つ一つの活動をお仕事と呼び、1人で黙々と取り組んでいく活動の中で集中力や個性を伸ばしていきます。個性を尊重し子供の多様性を認めていく事が本質としてあるので、必然的に他の子と関わる機会が少なくなります。故に集団行動が苦手に感じてしまう事があると言われています。

これも協調性と同じで、進学等環境の変化に対して、ほとんどの子供は時間と共に適応出来ていきます。

4.運動不足になりやすい

モンテッソーリ教育は室内で黙々とお仕事に取り組むと言うイメージがあると思いますが本質はそれだけではありません。本来広い庭や森で自然に触れながらのびのびと遊ぶ中で教育していく事がモンテッソーリ教育の考え方ですが、日本の都市部の園などではそういった環境が整っていない事が多いです。そうなると室内活動がメインとなってくるので運動不足になりやすいという事が言えます。

なるべく沢山の子供と活発に遊ばせたいと考えているご家庭では、モンテッソーリ園をよく検討しないと後悔する事にもなるかもしれません。

5.活発な子には不向き

モンテッソーリ教育では、専用の教具を使って遊びながら学んでいきます。その為、室内での活動が多くなりがちで、活発な子供にとって退屈だったり体を動かす事が思うようにできない環境にストレスを感じる事もあります。

そこでモンテッソーリ園では屋外遊びの時間を設けたり、子供たちの状況を見て時間を短縮したりして、運動不足にならないよう工夫しているところが増えてきてます。

6.教育者のレベルや人数で差が出る

モンテッソーリ保育園・幼稚園でよくある問題点として、教育者の質や人数による影響が大きい事が言えます。とは言ってもどうやってその質を見分ければ良いのでしょうか?

一つの指標として、全国にたくさんある園には、モンテッソーリ教育の国際資格AMIを有する講師が多数在籍する園もあれば、国内資格(JAM)の有資格者1人だけであとは無資格者という園も少なくありません。

モンテッソーリ教師の資格は3つ

・国際モンテッソーリ協会(AMI)
創設者マリア モンテッソーリ自身が設立した非常に厳格な国際資格

・日本モンテッソーリ協会(JAM)
国内のみの資格

・日本モンテッソーリ教育綜合研究所 
研究所独自の発行

モンテッソーリ園選びのポイントとして上記の有資格者がどれだけ在籍しているかをチェックする事で通わせてから後悔しないよう気をつけましょう。

7.日本の将来の受験に不向き

モンテッソーリ教育には、時間割・宿題・テスト・成績表がありません。日本の一般的な教育では、時間割で多くの教科(分野)を満遍なく学習し、宿題の反復練習で知識を定着させ、テストで評価します。

一方モンテッソーリ教育では、休憩時間と言う考え方もなく、集中している子供を時間で区切りをつけて先生が止める事もありません。自らプロジェクトを進める力がつくと共に好きな事をとことん伸ばしていく事ができる一方で、知識に偏りが出てくることもあります。

幼児期にモンテッソーリ教育を受けたとしても、その後ずっとモンテッソーリ教育のみを受け続ける子は少ないと思います。日本の教育法として、受験での暗記学習など少なからず必要になってきますが、そういったものにモンテッソーリ教育は効果が無いとも言えます。その時子供が混乱せずしっかり適応出来るよう、私たち親がサポートしてあげる必要があります。

しかし長い目で見た時、モンテッソーリ教育で培った集中力は受験や就活にもプラスになる部分は非常に多いと言えます。

経験ママのから見た悪い点

モンテッソーリ教育は海外で幼児期から小中高と公教育で受けられる環境が整っていますが、日本では幼稚園までがほとんどです。経験ママたちから見た問題点の多くは、モンテッソーリ教育そのものではなく、モンテ園から日本の公立小学校に上がる時の変化による批判です。こういったものがモンテッソーリ教育の弊害としてよく取り上げられます。

モンテ園では給食の時間が来ても、本人が納得しなければ止めなかったけど、小学生に上がって同じ事をしたら怒られた。

モンテで自己選択でお仕事をする癖がついていて、小学校で先生に「なぜこれをやるの?」とやる意味を何度も求めて煙たがられた。

モンテ園に行った時、子供たち同士でおしゃべりをしている場面をほとんど見ないです。

モンテッソーリ教育では、夢中になって取り組んでいる時が1番成長している時間と言う考えから、時間が来たからと止める事はしません。公立の小学校に上がって同じように、給食の時間が来ても勉強を続けていたら協調性のない子と思われてしまう事もあるようです。

また、モンテッソーリ教育では、自分で選択して教具に取り組む事で物事が進んでいくので、自分自身でやる意味を納得ができないと始まりません。将棋の藤井聡太棋士も子供の頃「授業をきちんと聞いているのになぜ宿題をしないといけないの?」と質問していたそうです。

モンテ園では一人一人がお仕事に取り組む事が多く、子供同士で賑やかに会話する機会が少ないことはよくない点としてよく言われます。ただ縦割のクラスで、年齢の違う子が同じクラスにいる環境なので、上の子の真似をして学んだり、下の子を手伝ってあげて成長したり、長所と短所は裏表にあると言えます。

モンテ園から公立の小学生に上がった時、それぞれの教育の考え方が違うところで、子供が馴染めず苦労する事が欠点と感じる方は多いです。しかし、幼児期のモンテッソーリ教育を基盤に成長した子が高学年になった時、生徒会で学年の代表になってプロジェクトを引っ張っていくなんて事もよく聞きます。

モンテッソーリ教育はすぐには効果がなくても、大人になった時に真価を発揮するような長い目で見たらプラスになる事が多い教育法なので、ゴールをどこに置くかによって、デメリットと感じるかメリットと感じるかは変わってくると言えます。

モンテッソーリ保育園・幼稚園のメリット

個性を伸ばせる

モンテッソーリ教育メリットとして、同じ年齢のクラス全員で同じ事をするのではなく、一人一人の発達段階の子どもの性質に合わせて教育が行われるので、個性を伸ばしやすい事がいえます。

自立心が育つ

「今から◯◯してみましょう」といった授業ではなく、子供自身で興味をもったものに主体的に取り組むため、主体性や積極性が身につき、自立心が育つと共に能動的に行動する事が出来るようになります。

集中力、探究心が育つ

デメリットの説明でも触れましたが“子供が何かに夢中なっている時が1番成長している時間”という考えから、その時間を尊重して、時間がきたからきりあげさせるような事はしません。その積み重ねによって集中力や探究心が育つ子供が非常に多い事がいえます。

自分の意見がしっかり言えるようになる

自主性が重要視されているので、自分の考えが認められる環境の中で生活する事で、自分の意見に自信が持てるようになります。そして、自分の意見がしっかり言えるようになる子が多いです。

情緒が安定する

家でも外でも癇癪(かんしゃく)を始め情緒が不安定になる子供に日常的に苦労されているママも多いかと思います。モンテッソーリでは、夢中になっていることにとことん取り組める環境の中で、自分の欲求が満たされ、情緒が安定する子が多い事もメリットとして大きいといえます。

色々な年齢が同じクラスで学び多様性が身につく

モンテ園では違う年齢の子が同じクラスで過ごす縦割りの教育が他の園と違うところです。別々の年齢のこ子と身近に関わることで、下の子が上の子を真似して成長したり、上の子が下の子の手伝いをして成長したりという環境が自然に起こります。

給食を食べ物をこぼした子を見て、他の子がタオルを持ってきてさっと拭いてあげるといった事が自然に出来る子をよく見かけます。

全国のモンテッソーリ教育が受けられる幼稚園・保育園の一覧

モンテッソーリ保育園選びで後悔しないポイント

モンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園・保育園選びで「評判だから」「人気だから」といった理由で入園させると、他の園との生活環境が違い後悔する事にもなりかねません。モンテッソーリの教育方針をしっかりと理解した上で入園をお勧めします。

モンテッソーリ教育の基本的方針を詳しく解説した記事はこちら

先生の質と園児の在籍数を確認する

モンテッソーリ教育を取り入れた園は全国でもたくさんありますが、モンテッソーリ教育方針を正しく理解した先生が多数在籍している園とそうでない園も多くあります。ただモンテッソーリを取り入れているからというだけで園を選ぶと期待と違ったとなる可能性があります。

園選びのポイントとして以下の3つの資格を有する先生が何人在籍しているかを調べる事で園のモンテッソーリ教育に対する本気度が見えるヒントになります。

・国際モンテッソーリ協会(AMI)
創設者マリア モンテッソーリ自身が設立した非常に厳格な国際資格

・日本モンテッソーリ協会(JAM)
国内のみの資格

・日本モンテッソーリ教育綜合研究所 
研究所独自の発行

また児童の在籍数もポイントです。いくらモンテッソーリに精通した先生が多数いても、園児の数が多すぎると教育者の目が行き届かないことになります。

教具の数が足りているか確認する

モンテッソーリ教育の園といっても、登園から退園までずっとモンテッソーリ教育の学習時間というわけではありません。主に午前中にモンテッソーリ教育を取り入れお仕事をし、午後は外遊びで体を動かすなど短所を補いバランスをとる園が増えてきています。

しかし逆を言うと、モンテッソーリ教育を部分的に取り入れている園は教具の数が足りない事も多いです。そうすると一人一人に行き渡らず、やりたい教具に取り組めない事になりかねません。園を見学に行った時は教室の環境や教具の数がたくさん整っているかチェックする事もポイントです。

モンテッソーリに合わない子?

結論から言うとモンテッソーリ教育に子供の向き不向きはありません。わんぱくな子や中々じっと出来ない子もいますが、初めからみんなが自発的に教具に集中して取り組めるわけでも、手先が器用なわけでもありません。時間をかけてやりたい教具を見つけられるようになります。

それよりも、大人の方が向き不向きに関係していると言えます。親の気持ちが強すぎると子供のモンテッソーリ教育の弊害にもなりえます。子供のやりたい気持ちを尊重して見守る事が重要です。

モンテッソーリ園独自のルールに親がついていけるか確認する

モンテッソーリ園の取り組みにはそれぞれ差があります。“教具に集中している子には給食の時間が来ても止めさせない”といった徹底したモンテッソーリの方針で取り組む園もあります。園独自のルールなどもあり、家と園とのギャップを埋めるため、親がどこまでついていけるかも注意したいポイントと言えます。親が疲弊してしまっては子供の自主性を尊重したのびのびとした環境を維持するのも大変です。園を見学に行った時は、園独自のルールなどどういったものがあるか確認する事が大切です。

全国のモンテッソーリ教育が受けられる幼稚園・保育園の一覧

モンテッソーリ幼稚•保育園行ったその後はどうなるの?

モンテッソーリ出身の著名人は世界に多くいますが、実際モンテッソーリの効果について、モンテ幼稚園を出た後の小学校や高校での子供の様子はどうなのでしょうか?

モンテッソーリ教育を受けて育ち公立の高校に入った子供達

モンテッソーリ出身者と他者との違いを感じるところは?と言う質問に対する高校生の答えは

“多くの人前でプレゼンテーションするのに私達はなれています。高校で必要なプレゼンテーションはせいぜい5分程度。30分のプレゼンテーションでも緊張する事はないです”(同意見多数)

僕はモンテッソーリスクールで、自立することを学びました。必要なら先生にアドバイスを求めることも出来るが、今のところ、その必要性は感じないです”

相手に対して尊敬の気持ちを持って接する事ができることです。モンテッソーリでは小さい頃から、自分も相手も大切にする事を学んだ。相手を大切にする気持ちをもって話しかけるから仲の良い友達もすぐに出来るし、たとえ意見が合わないときでも、相手を怒らせるような言い方はしないです”

出典:http://blog.montemama.com

モンテッソーリ幼稚園から公立の小学校に上がった子供達には、初めこそ教育方針の違いに戸惑いがありますが、高学年になるにつれて、自分の意見をしっかり持っていて、自立心が強く育ち生徒会などでリーダーとしてクラスを引っ張っていく存在になる子が多く見られます。

高校生になると、大勢の前での発表など臆することなくできる子が多いのも特徴です。受験に直接活かせる能力では無いかもしれませんが、社会に出た後に必要になる能力が幼少期から育めることは大きなメリットであることは間違いありません。

日本のモンテッソーリ小学校は1校のみ

日本では小学校までモンテッソーリ教育を導入できているのは1校のみ、横浜の“学校法人高根学園 横浜モンテッソーリ幼稚園内のエレメンタリースクール”だけです。それ以外でモンテッソーリ教育をうけるには、子供の家や塾などに学校とは別に行くか、海外からホームスクールの教材を購入し家庭で教えるしかありません。

スペインのモンテッソーリ学校日本人教師

“幼児期に自発と集中を身につけ、小学校に入って幼稚園で無意識に作業した教具を、今度は2、3人でやることにより違いを議論し、話し合いで折り合いをつけることを学ぶ、という一貫したモンテッソーリメソッドが公立小学校に進むことで、全員が同じ事を一斉にやる授業に代わり途切れてしまいます。  
具体的にはPINK TOWER。幼稚園では集中して積み上げることがポイントです。小学生になると、Beads を順に並べて組んでいき、1から10の3乗を作り上げ、最後に積み重ねるとPINK TOWERと同じ形になります。 幼稚園から小学校へとより具体的に数理になるPsycho-Arithmatic というモンテッソーリ数学です。 
日本では、モンテッソーリ小学校がもっと普及する必要があります”

海外では、高校や大学までモンテッソーリ教育を受ける事ができますが日本の現在の教育カリキュラムではモンテッソーリを学ぶ事に限界があるといえます。

まとめ

モンテッソーリ幼稚園のデメリットについて紹介してきましたが、メリットとデメリットは捉え方でどちらとも言える事が多い事が言えます。全て万能な教育法は世の中に存在しませんがモンテッソーリ教育は長い目で見てプラスになる事が多いことは確かです。ここで紹介したメリット、デメリットを参考に、あなたのお子さんに合ったベストな選択の手助けになれば幸いです。